三代目 久一の「味噌通信」

昭和49年4月号

 1974年4月 味噌通信   今年の春は、例年になく気温が高くなったり、低くなったりを繰り返して春と冬が行きつ戻りつを繰り返しています。  私 女将が子供だった頃、関東は小学校の入学式ころに桜が開花していましたが、ここ数年ずっと新潟がちょうど入学式ころの開花だったようです。学校に入学するという人生の大きな節目を、桜の開花で祝ってもらえるなんて関東の子供たちは何と幸せなのんでしょう。といつも思っていましたから、とっても良く覚えています。ところが10年くらいは、新潟のほうが桜のジャストタイムの入学式。温暖化が目に見えて分かると思っていました。
 ところが、今年は、昔の例年に頃合いが似ています。毎年関東から新潟の桜をドライブで見にいらっしゃる加藤さんという方がおられます。先週せっかくいらしたのに…。こんなの初めて!と硬い蕾を残念そうに見て帰って行かれました。  そんな桜がちょうど咲く週末です。

◆1974年4月号「味噌通信」

《本文》      わが庭は梨も桜も花さかり           百千の小禽ことりら日ねもすを啼く  石塚正也   待ちに待った春のあこがれも、椿が咲き、梅も散り、桜咲き初め、萬物ことごとくが躍動の好機を迎え、若緑目を楽しませ、萬花、心の窓を開き、うるわしい自然の美しさを思い存分たたへ合う、この頃でございます。  先般ルバング島より三十年振りに帰国された、小野田元少尉さんのことで、このところいろいろと話題が取り沙汰されています。長かったジャングル生活、任務遂行のための体づくり、常に栄養のバランスを考えての、細心周到な日常の食生活、更に旺盛なる責任感の日々、戦争を知らない若い世代に人までが、テレビを見て感涙にむせび、耐え忍ばれた長い苦闘の数々には、、唯、感激の外ありませぬでした。今も尚莞爾として浮かぶ凛々しい姿、不動の信念が目を潤ませています。 帰国初日の夕食は、病院側で用意され、家族揃ってなごやかの食事、盛り飾られた豪華な食卓には、山海の珍味、キウリの生野菜、豆腐の入ったミツハの味噌汁、ご飯など、小野田さん、最初に手をつけられたのが、熱いふくよかな香りのするおいしい味噌汁であったと、聞いています。古い伝統の味、子供の頃より味わったなつかしい味に、舌つつみをうたれたことでしょう。  健康に回復も思い外早く、故郷に帰って何を食べたいかの問いに対し、「こどもの頃母がイワシでつくったツミレ(タタキ)の味噌汁を飲みたいなあ」と忘れ得ぬふるさとの味、おふくろの味に対する敬慕の念、今更ながら感心しています。
 ●札幌   斉藤久子さん 大変おいしい味噌、北海道には手にはいりませぬ。   宅では味噌は何より香のもの、朝夕の味噌汁は勿論のこと、酢みそ、ニンニクみそ等  こしらえて皆んなにとても重宝がられています。
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