三代目 久一の「味噌通信」

昭和47年6月号

  1972年6月 味噌通信 「味噌パンの発祥の瞬間とき」の巻  今回の号の中にはいくつか、当時を思い出す懐かしい記載がありました。  研究肌だった先代の社長が夜遅くまで分析室で試作を重ねていた姿です。何が趣味なのかと思うくらい、夜遅くまで、休日までも分析室にいるか、学会誌を読んでいるか、業界誌を読んでいました。
シロツメグサ
 我が家の祖父母(この通信を書いた先々代夫婦です)は、わずかな畑で野菜を作り2人揃って朝、畑仕事を終えてくると、朝食は2人でパン食でした。当時としては珍しかったと思います。2人揃ってパン食のBreakfastでした。  そして、母が父と一緒になって味噌パンを作り上げたことです。料理好きの母が父のアドバイスでパンの発酵に、発酵食品である味噌が役立たないはずはないとの助言で、味噌パンを試作。どれだけ試作を繰り返したことだったのでしょう。結果は、特許までいただいたのでした。  過度な調味料が「味わう」ことを遠ざけ、唾液の十分な分泌を回避する方向にあるとは・・・。今の時代にあって、なぁ~るほど、そういう考えも一理だと感心して読みました。

◆1972年6月号「味噌通信」

《本文》       濃い緑り花の笑顔に色どられ               自然の幸で開く心眼           野山の草木も濃い緑に包まれ、うつぎ、つつじの花々も一入あざやかに、清涼初夏を満喫する此頃、お健やかにご活躍のこと、ご心労に対し心より敬服申し上げます。 このところインスタント食品に多量の人工調味料が含まれていたことが問題となり、一時的にしろ、頭痛、手足のしびれ、酒に酔ったような正体の判らない奇病が、発生したと伝えられている。もともと一般調味食品は、それ自体で満足できる味で、物によっては若干補足程度に添加するべきもの。普通の食品は0.1~0.3% 汁物は食塩の10%程度とされている。ところが近頃その限界を越えて、無雑作に使われ、濃原調味が慢性化して来た。濃い調味は直接舌の、感受性が強いために充分味わうことなく、不消化のまま嚥下されるので、各種の奇病発生の素因となる。食べ物は充分噛むことによって、唾液の分泌を促し、、味のコクによって素材の味を生かし、そのおいしさが健康に繋がることになる。このところ製麺業者はみそラーメンに関心を持たれ、何んとかラーメンに適した味噌の研究をたのまれ納品している。 尚、味を無視したインスタント食品、添加物公害の反発から、台所での手作りの味を楽しむブームが盛り上がり、温かい家庭ムードを作りあげている。その代表的なものは手作りのパン。作る過程の楽しさと、新鮮で、温かくおいしく味わえる素敵のうまみは、市販品に見られない逸品で、我が家でも早速パン作りを始め、この程みそパンの試作に成功し、一日一食はみそパンをとり入れて、とてもおいしく毎日の食卓を賑わしている。 「見てもよし食べておいしい山の幸」最も自然の姿で魚、山、野菜の最も味のよい時期をシュン(旬)という。鯛たいにしろ、鰹かつおにしろ、胡瓜、茄子、わらび、ぜんまい等、歯ざわりと言い、味と言い、香りと言い、初夏の味覚の絶頂ではなかろうか。一家揃って大いに自然の味をたたえて、味噌を使って手造りの味を、腹一杯味わって頂きたいものである。                   越後米味噌醸造元    山田醸造株式会社
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