三代目 久一の「味噌通信」

昭和46年3月号

 1971年3月 味噌通信   三月に入って陽光が墨絵の世界を有色に変化させ始めたかとうれしい新潟の風景でした。が、また冷たい風とともに雪が振り冬に舞い戻りです。  日本のみならず、地球の気象環境も変化しつつありますが、地殻の変化も大きく地震大国日本、チリ、トルコ、あちこちで大きな地震が起こっては、大きな被害をもたらしています@o@
ふきのとう
 近年の食、住(生活スタイルをも含めて)の欧米化は、長い長い年月掛けて胃腸が長くなった日本人の体質的変化をもしのぐスピードで変化しています。この対応に日本人の胃腸が追随していくのは、欧米人の胃腸の1.3倍以上もの長さだと知っていても、慣れ親しみそうな食生活はそう、昔のものには戻りにくいところまで来ている昨今です。  肉食を軽減すると、ヘルシーとか、やさしい食事とか定義づけしてみても、やはり肉のうまさを知った日本人に菜食になれ!とはもう言えないところまで来ているのではないでしょうか。

◆1971年3月号「味噌通信」

《本文》         2月全国味噌技術会で食研検査室長西丸先生の講演の要旨 地球に人間が生存したのがアフリカの中央部で今より200万年前で、その原型はおそらく1000万年前のこと。当時人煙希少のため、100年に1kまで広がり、山野を越え海をわたり世界に人間が住むようになった。中国より日本の南に渡ったのが今より15万年もの昔。当時、小動物、魚、山野に自生する草木の実を常食として生きてきた。 人間は環境の変化によって食生活もおのずと異なり体の構造も変わり小腸丈についてみても、日本人は8メートルの長さに比べ、西洋人は6メートル、この2メートルの差が何万年もの間に自然に使われてきたので、一朝一夕に短くすることはできない。このところ体質を考えない食の多様化、洋風化は誠に恐ろしく、糞つまり(毒素)―便秘症を引き起こし、飽ゆる文化病の源を作っている。 子供は生まれながら、原始形態で2歳くらいまで食べ物の味を知らない。判るのは甘味だけ。それ以後は食べ物の味を知り、思考の考えもでき、逐次子供なりに食欲を訴え、大体18歳(高校卒)くらいまで、ぐんぐん感度が進み、食べ物の嗜好が固定するので、このころまでにふるさとの味、おふくろの味を十分子供に植え付けねばならない。それには日本本来の食味をとらせることは体質保全のためにも極めて大切なことである。 味噌は、日本人のだれもが受け入れられる素質がある。味噌を原始人に与えても5~6回で喜んで食べるし、外国人にも好かれる食品である。このところ日本人の米食は減り、味噌もこの10年間に1割くらいしか伸びていない。しかし、昔のお米がうまかった。幸いにも味噌は醸造技術の進歩で昔よりおいしいものができるようになった。この後は大いに米食に味噌もさることながら、更に麺類、パン食にまでみその需要を奨め、もっと日本人の体質にマッチした健全な食生活にすべきではないか。今こそ日本人の食生活を根本的に立ち直し、飽ゆる文化病をなくするためにも肉食生活を程々にした菜食主義を急速に取り戻したいものである。
現在登録されている商品はありません。